レッグプレス

レッグプレスの効果・やり方|正しいフォームや重量・回数の目安を解説

この記事ではレッグプレスの正しいフォームや効果的なやり方を解説し、重量や回数の設定方法を紹介します。

レッグプレスはマシンを使って下半身を効率良く鍛えられる種目で、トレーニング初心者の方でもすぐにフォームを覚えることができます。

スクワットよりもフォームの難易度が低く、男女問わず行いやすい種目です。

記事後半ではレッグマシンを活用して行う効果的なトレーニングバリエーションを紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

レッグプレスとは

レッグプレス

レッグプレスとは、専用のマシンに座って、脚の力でフットプレートを押す種目で、下半身全体の筋肉を鍛えることができます。

マシンのタイプによって若干の角度は異なりますが、基本的にはシートに座った状態で、フットプレートを押すシンプルな種目です。

シートの高さや背もたれの角度、フットプレートに置く足の高さや足幅、つま先の角度、足裏の重心位置によって集中的に鍛えられる部位を変えることができるので、工夫次第で応用性の高い種目になります。

スクワットと同様に、高重量を使用できる種目なので、下半身のメイン種目として取り入れることが推奨されます。

レッグプレスが効果的な筋肉部位

レッグプレスで鍛えられる筋肉は、お尻の大臀筋や太もも前側の大腿四頭筋、太もも裏側のハムストリングス、ふくらはぎのヒラメ筋や腓腹筋まで下半身全体です。

メインとして鍛えられるのはお尻や太ももになりますが、ふくらはぎも補助的に刺激できます。

レッグプレスの動作では膝関節と股関節の両方を動かすので、下半身の多くの筋肉を同時に働かせることが可能です。

足を付く位置を変えれば鍛えられる部位を変化できるので、目的に応じたトレーニングが行えます。

レッグプレスで使う筋トレマシン・器具

レッグプレスマシンにはいくつか種類があるので、以下を参考にして使用するマシンがどのタイプか確認してください。

  • 水平型
  • 45度型
  • 垂直型

水平型は水平方向にフットプレートを押すタイプのマシンで、重量の調節をウエイトスタックピンを抜き差しして行うものが多いです。重量の調節がしやすい特徴があります。

45度型は45度上方に向けてフットプレートを押すタイプのマシンで、重量の調節はプレートを付け外しして行います。

水平型と比べて最大使用可能重量が大きいので、高重量を扱いたい方向けになります。

垂直型はフットプレートの下に仰向けになる形で座るタイプのマシンで、水平型と45度型に比べると設置しているジムは少ないです。お尻やハムストリングスを重点的に鍛えられる特徴があります。

レッグプレスの平均重量(男女別)

レッグプレスの平均的な使用重量は、ウエイトトレーニングやスポーツ経験者の男性で約200kg、女性で約120kgほどです。

初心者の方であれば男性で約70kgほど、女性で30kgほどになります。

レッグプレスは体幹が不安定になるスクワットと比べて、マシンに座って体幹が安定するので、スクワットよりも高重量を使用できます。

また、スクワットではフォームをコントロールする必要がありますが、レッグプレスは軌道が固定されているので、一方向に力を入れるだけで簡単に行える特徴があります。

初めてレッグプレスを行う方でも、重量を扱いやすい種目です。

レッグプレスとスクワットの違い

筋トレ,ダンベル

レッグプレスとスクワットは、フォームの難易度・使用重量・心肺機能の3つが異なり、鍛えられる筋肉は基本的に変わりませんが、全く違う種目です。

フォームの難易度は解説した通り、レッグプレスの方が簡単で、初心者の方でもシートの設定方法を覚えればすぐに動作できるようになります。

レッグプレスはスクワットよりも高重量を扱うことができる種目で、セーフティーバーを使用することで安全に行えます。

また、レッグプレスでは体幹を安定させる必要がなく、下半身に集中して鍛えられるので、心肺的にキツくならずに動作を繰り返せます。

スクワットではバーを担いでいる状態を維持するだけで、下半身だけでなく体幹を含めた上半身の筋肉まで使用するので、心肺機能に負担がかかります。

レッグプレスとスクワットは動作の見た目は似ていますが、様々な面で違いがあるので、別の種目と考えてどちらも行うことをおすすめします。

レッグプレスの正しいフォームとやり方

レッグプレス

レッグプレスの正しいフォームとやり方は以下の手順で行います。

ポイントは動作を行う前のマシンの設定で、動作自体はそこまで難しくありません。

1. 自分に合った重さに設定し、膝が90°になる位置にシートを調整

まずはマシンの重量を自分に合った重さに設定して、フットプレートを下ろした時に膝の角度が90度になるようにシートを調節します。

使用するマシンによって調節できる箇所は変わりますが、シートの高さやシートの角度、もしくはフットプレートのスタート位置を調節できることが多いです。

膝の角度によって鍛えられる部位を変えることもできますが、初心者の方はまずは90度でセッティングすると良いでしょう。

2. 両足を肩幅くらいに開き、つま先と膝は同じ高さになるようにする

シートの設定ができたら、両足を肩幅程度に開いて、つま先と膝の高さを同じにします。

足幅によって太ももの外側や内側を集中的に刺激することもできますが、まずは基本の肩幅程度に開いて動作を行います。

そしてつま先と膝の高さを同じにすることで、膝の角度を90度に維持して動作でき、怪我のリスクを低くできます。

3. 息を吐きながら、足の裏全体で押すようにゆっくりと膝を伸ばしていく

シートの設定と足を置く位置を決めることができたら、息を吐きながら足の裏全体でゆっくりとフットプレートを押して、膝を伸ばしていきます。

足裏の重心位置によって鍛えられる部位を変えることができますが、初心者の方は足の裏全体で押すようにします。

そして、膝が完全に伸び切る直前で止めるようにします。

膝が伸びきってしまうと骨で重量を支えてしまい筋肉から負荷が抜けてしまいますし、過伸展によって膝を痛めてしまう危険性があるからです。

4. 息を吸いながら、ゆっくりと膝を曲げて元の位置に戻す

膝が伸び切る直前まで動作したら、息を吸いながらゆっくり膝を曲げて元の位置に戻します。

力を抜いてストンと下げてしまうと、膝や股関節を痛める可能性がありますし、トレーニング効果も半減してしまいます。

なるべく負荷が抜けないように、重さを受け止めてブレーキをかけるようにゆっくり元に戻すように意識します。

また、動作中に呼吸を止めすぎないことも大切です。

血圧の上がりやすい種目なので、呼吸を止めてしまうと身体的な問題を招く可能性があります。

レッグプレスの重量や回数、セット数の目安

レッグプレス

レッグプレスの重量や回数・セット数の目安は、トレーニングの目的によって変わります。

目的が変われば設定も変わるので、自分に合った設定を見つけてトレーニングしましょう。

目的に合わせて重量や回数を設定する

目的 回数(RM)
筋力向上 6〜8回
筋肥大 10〜15回
筋持久力向上 15〜20回

上記の表のように、トレーニングの目的に合わせて重量や回数を設定します。

回数と同じく、重量もトレーニングの目的に合わせて設定します。たとえば、筋肥大が目的なら10回〜15回で限界になる重量が目安です。

RMとは「最大反復回数」のことで、ある挙上重量の最大反復回数を意味します。

たとえば、100kgの重量を最大10回反復することができる場合、100kgのRM(=最大反復回数)は10回ということになります。

セット数は3〜5回が目安

レッグプレスに限りませんが、ウェイトトレーニングのセット数は3〜5回が目安です。

たとえば、以下のようにセットを組みます。

▼レッグプレスのセットの組み方(例)

  • 最初の1・2セットはアップを目的に低重量・高回数で行う
  • 3・4セットは本番として高重量・中回数で行う
  • 最後の5セット目をオールアウトまで追い込むためのセットにする

トレーニングの目的やトレーニーの考え方によって、セット数やセットの組み方は異なります。

初心者の方であれば、まずはアップと本番のセットに分けて、3〜4セットから始めてみるとよいでしょう。

少しずつトレーニングに慣れたら、自分に合ったセット数・セットの組み方を考えてみましょう。

レッグプレスの効果を高めるコツ3つ

レッグプレス

レッグプレスの効果を高めるコツを3つ解説します。

レッグプレスはフォームが簡単な種目なので、動作に慣れたら上記のコツを意識して動作すると良いでしょう。

コツ1. 骨盤を立てて、背中が曲がらないようにする

レッグプレスで怪我のリスクを減らしてトレーニング効果を高めるには、骨盤を立てた状態でシートに座り、背中が曲がらないように動作することが大切です。

骨盤を立てるとは、骨盤を正しい位置におくことで、骨盤がシートに対して平行・垂直になっているポジションです。

骨盤が後傾といって丸まっている状態でレッグプレスの動作をすると、脚の筋肉ではなく腰に負荷が乗ってしまい、腰を痛める可能性が高くなります。

人それぞれ身体の柔軟性によって変わりますが、フットプレートを深く下ろしすぎると骨盤が後傾しやすいので、注意が必要です。

コツ2. 膝の幅と足幅を揃えて、左右に膝がズレないようにする

膝の幅と足幅を揃えて、左右に膝がズレないようにすることも大切です。

膝の幅と足幅が異なると、膝に負担がかかり、力が上手くフットプレートに伝わらないので、扱える重量が低くなってしまいます。

また、左右に膝がズレてしまうと、左右どちらかの脚に負荷が集中してしまい、怪我のリスクが高まります。

フットプレートに置く足の高さや膝の高さ、膝の幅を左右対称にして動作することで、関節の負担なく効果的に鍛えることができます。

コツ3. 足を付く位置を調節して、鍛えられる部位を変える

フットプレートに付く足の位置を調節して鍛える部位を変えることも可能です。

具体的には、足幅やつま先の向き、足を付く高さを変えて刺激を変化させます。

例えば足幅を広くして、フットプレートの上部に付くことで、大臀筋やハムストリングスを重点的に鍛えられます。

反対に足幅を狭くして、フットプレートの下部に付くことで、大腿四頭筋を重点的に鍛えられます。

鍛えている筋肉を具体的にイメージできる中・上級者向けの方法ですが、工夫次第で狙った部位を鍛えられるのでおすすめです。

レッグプレスの種類・バリエーション

レッグプレス

レッグプレスマシンを活用して行うトレーニングバリエーションを4つ紹介します。

レッグプレスマシンによっても異なりますが、基本的には上記の4つのバリエーションを全て行うことが可能です。

ワンレッグ・レッグプレス

ワンレッグ・プレスは、名前の通り片脚で行うレッグプレスです。

片脚のみ行うことで、意識をよりターゲット部位に向けやすいメリットがあります。

また、両脚で行うレッグプレスよりも大臀筋をストレッチしやすいことが特徴です。

大腿四頭筋・大臀筋が主なターゲット部位になります。

How To

  1. 通常のレッグプレスと同じ方法でシートを設定する
  2. フットプレートの中心かつ膝の角度が90度で足を付く
  3. 息を吐きながら足の裏全体でゆっくり押し、膝を伸ばす
  4. 息を吸いながらゆっくり膝を曲げて、元に戻す

カーフレイズ・レッグプレス

カーフレイズ・レッグプレスは、ふくらはぎのヒラメ筋や腓腹筋を鍛えられる種目です。

他のレッグプレスとは異なり、膝の曲げ伸ばしではなく、足首を曲げ伸ばしして行います。

How To

  1. 通常のレッグプレスと同じ方法でシートを設定する
  2. フットプレートの下部につま先を合わせて膝を伸ばす
  3. 膝の曲げ伸ばしをせず、踵を持ち上げるように足首を伸ばす
  4. ふくらはぎがストレッチされるまでゆっくり下げる

ワイドスタンス・レッグプレス

ワイドスタンス・レッグプレスは、通常よりも足幅を広くして行うレッグプレスです。

大臀筋やハムストリングス、太もも内側の内転筋を重点的に鍛えることができます。

足幅を広げると、骨盤が後傾しやすくなるので、骨盤を立てて動作する意識が大切です。

How To

  1. 通常のレッグプレスと同じ方法でシートを設定する
  2. 足幅を肩幅の1.5倍ほどに開いて、つま先を外側に広げる
  3. 骨盤を立てた状態で、息を吐きながら踵でゆっくり押す
  4. 息を吸いながらゆっくり膝を曲げて、元に戻す

ナロースタンス・レッグプレス

ナロースタンス・レッグプレスは、通常よりも足幅を狭くして行う方法で、大腿四頭筋を重点的に鍛えることができます。

大腿四頭筋の中でも外側広筋を刺激しやすく、つま先重心で動作すれば膝まわりをより刺激しやすくなります。

How To

  1. 通常のレッグプレスと同じ方法でシートを設定する
  2. 腰幅よりも狭い足幅で、プレートの中心に足を付く
  3. 息を吐きながら足の裏全体でゆっくり押し、膝を伸ばす
  4. 息を吸いながらゆっくり膝を曲げて、元に戻す

【Q&A】レッグプレスについて多い質問

レッグプレス

最後にレッグプレスについて多い質問を紹介します。

レッグプレスの疑問を解決してから行ってみてください。

Q. 動作中は呼吸を止めても大丈夫?効果がない?

動作中に呼吸をしっかり行うことで、筋肉が収縮しやすくなります。

レッグプレスの動作では、フットプレートを押して膝を伸ばす時に息を吐き、膝を曲げてフットプレートを下げる時に息を吸います。

筋肉の収縮時(レッグプレスでは膝を伸ばす時)に息を吸ってしまうと、収縮しづらくなり力が入りません。

また、呼吸を止めて動作すると、効果が完全になくなることはありませんが、血圧が高まりやすく、身体的に大きな負担がかかってしまいます。

最悪の場合、動作中に血圧が上がって気を失ってしまう危険もあるので、呼吸を止めずに動作しましょう。

Q. マシンの角度が違うレッグプレスは何が違うの?

レッグプレスマシンの角度が異なると、重点的に鍛えられる部位が変わります。

水平型と垂直型のレッグプレスマシンを比べると、水平型では大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスを全体的に刺激できますが、垂直型では大臀筋やハムストリングスを刺激しやすい特徴があります。

基本的にはフットプレートの角度が高くなるほど下半身後面の筋肉を鍛えやすくなります。

Q. 太ももではなくて、お尻だけ鍛えることは可能?

足を付く位置や足幅を工夫することで、お尻を刺激しやすくすることはできますが、お尻だけを鍛えることはできません。

あくまでも刺激が加わる割合を変えられるだけで、太ももの刺激をゼロにすることはできません。

複数関節を動かす、レッグプレスやスクワットのような多関節種目で共通することです。

お尻だけを鍛えたい場合は、膝の曲げ伸ばしをせずに、脚を後方に振り上げるような種目を行う必要があります。

レッグプレスで下半身全体を効果的に鍛えよう!

レッグプレス

今回は下半身全体を効果的に鍛えることができる、レッグプレスの動作方法や目的別の回数設定、効果を高めるコツを解説しました。

レッグプレスはスクワットと比べてフォームの難易度が低く、シートの設定を行うだけで簡単に動作できるので、初心者の方でも鍛えやすい種目になります。

足幅や足を付く位置を変えることで、鍛えられる部位を変化させることができるので、中・上級者の方にもおすすめの種目です。

この記事で解説したコツを参考に試してみてください。

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