フルスクワット

フルスクワットの効果・やり方|正しいフォームや重量・回数の目安

この記事では、フルスクワットの効果や正しいやり方について解説します。

膝を曲げてしゃがむ・伸ばすというシンプルな動作の繰り返しで、効率的に下半身を鍛えられるスクワットは、どこででも気軽にできることから人気の高い筋トレです。

そんなスクワットには、いくつかの種類があります。フルスクワットは、お尻を膝よりも低い位置まで下げて深くしゃがみ込むことで、より大きな負荷を与えます。

下半身の柔軟性を高め、引き締まったボディラインを作りたい方におすすめしたいトレーニングメニューです。

フルスクワットとは

フルスクワット

フルスクワットとは、通常のスクワットよりも深くしゃがんで行うスクワットです。

スクワットという種目では、お尻を落として深くしゃがむほど筋肉にかかる負荷が上がり、難易度も高くなります。フルスクワットはその中でも、膝を曲げきって深くしゃがみ込むことから、より大きな負荷をお尻や脚の筋肉に与えられ、効率良く下半身を鍛えられます。

特別な道具は必要なく、どこででも行えるため、初心者でも気軽にチャレンジできます。

フルスクワットが効果的な筋肉部位

フルスクワットは大臀筋や大腿四頭筋のほか、内転筋群と呼ばれる内腿の筋肉や、ハムストリングスにも大きな負荷を与えます。

大臀筋を鍛えると、お尻やウエストが引き締まり、美しいヒップラインが手に入ります。身体の中でも最大級の筋肉である大臀筋を鍛えることで、基礎代謝が向上し、太りにくくなる効果も期待できます。

また太腿の前面に位置する大腿四頭筋、太腿の裏にあるハムストリングス、そして大腿の内側にある内転筋群にも同時に負荷をかけるため、骨盤を安定させ、美しいボディラインが作れます。

フルスクワットで使う筋トレマシン・器具

フルスクワットは、自重を使って行うやり方以外にも、ダンベルやバーベルなどの器具を使うなど重量を設定して行う方法もあります。

ダンベルの場合は、両手に1個ずつ持つやり方と、両手で1個のダンベルを持つやり方があります。

またバーベルを使う場合には、肩の前で担ぐフロントスクワット、肩の後ろで担ぐバックスクワット、真上に持ち上げて行うオーバーヘッドスクワットの3種類のやり方があります。

自分の目的やレベルに合わせて、トレーニング方法を決めるようにしましょう。

フルスクワットの平均重量(男女別)

現在のところ、フルスクワットの平均重量に関するデータはありません。そこで、ここではフルスクワットで扱う重量目安の求め方を紹介します。

ダンベルやバーベルを使ってフルスクワットを行う際の重量目安は、自分の体重をもとにして、それぞれのレベルに合わせて算出します。

男性の場合、初心者は0.8~1、中級者は1.2~1.5、上級者は1.5~1.8を体重にかけた重さが適当です。女性の場合は、初心者は0.4~0.6、中級者は0.7~1.2、上級者は1.2~1.6を、自分の体重にかけます。

フルスクワットの重量目安

▼30歳の日本人男性(トレーニング初心者)の場合

  • 30歳の日本人男性の平均体重は69㎏(※)
  • 69kg×0.8〜1=55〜69kg
  • 重量目安は62kg

▼30歳の日本人女性(トレーニング初心者)の場合

  • 30歳の日本人女性の平均体重は52㎏(※)
  • 52kg×0.4〜0.6=21〜31kg
  • 重量目安は26kg

初めて重量をかけて行う際は、これらの数字よりも10㎏程度軽く設定して、徐々に上げていくようにしましょう。

フルスクワットとハーフスクワットの違い

フルスクワット

フルスクワットとハーフスクワットとの主な違いは、しゃがみ込む深さの違いです。

フルスクワットでは、お尻を膝の位置より下まで深く下げますが、ハーフスクワットは膝の高さの手前で動きを止め、身体を起こしていきます。

浅めの位置で動きを止めるため、筋肉への負荷はフルスクワットよりも軽くなります。身体が固くて深くしゃがむのがきついという方は、まずハーフスクワットから始めてもいいでしょう。

ただし、ハーフスクワットは大臀筋やハムストリングの収縮が少ない分、フルスクワットよりも膝の関節にかかる負担は大きくなります。

どちらのスクワットを行うにせよ、大切なのは正しいフォームで実践することです。自分の身体の状態や、目的に合わせて、どちらにするか決めるといいでしょう。

フルスクワットの正しいフォームとやり方

フルスクワット

フルスクワットを行う際、フォームが乱れていると筋肉にうまく負荷がかからず、トレーニングの効果が半減します。

ここでは、フルスクワットの正しいフォームとやり方について説明します。

1. 両足を肩幅に広げ、背筋を伸ばし胸を張る

ポイント

  • 両足は肩幅に広げて行う
  • 爪先はやや外側へ向ける
  • 背筋はまっすぐ伸ばして行う

まず、両足を肩幅に広げて立ちます。爪先はやや外側に向けた方が、股関節の動きがスムーズになり、楽にしゃがめるようになります。

次に、背筋をピンと伸ばして胸を張りましょう。背中が丸くなっていると膝が前に出やすくなり、トレーニングの効果が減ってしまいます。

フルスクワットを行う際は、最後まで背筋を伸ばしておくよう、この段階から意識しておきましょう。

2. 両腕を伸ばし、お尻を突き出すようにする

両腕を真っすぐ胸の前に伸ばして、地面と水平にします。頭の後ろで組むやり方もありますが、前に伸ばした方がバランスを取りやすいのでおすすめです。

お尻を軽く後ろに突き出すようなイメージで、膝を少し曲げ、身体をやや前に傾けます。この時、視線が下がって足元を見てしまうと背中が曲がりやすくなるので、真っすぐ前を見据えるようにしましょう。

3. 息を吸いながら、背筋を伸ばしてしゃがむ

鼻から息を吸いながら、ゆっくりと膝を曲げてしゃがんでいきます。この時、上半身は背筋を真っすぐ伸ばした姿勢のまま、腰を落としていくよう注意しましょう。

膝を曲げる際は、膝が爪先の方向を向いているようにします。しゃがんでいく過程で、膝がどうしても内向きになりがちなので、そうならないよう意識しながらトレーニングしましょう。

4. お尻が膝より低い位置になったら元に戻る

お尻が膝よりも低い位置になるまでしゃがんだら、今度は口で息を吐きながら、ゆっくりと身体を元の位置に戻していきます。

一番下までしゃがみ込んでしまうと、筋肉へ負荷がかからなくなるため、地面につく一歩手前で止めるようにしましょう。

スターティングポジションまで戻ったら、膝を軽く曲げたままで、次の動作に移っていきます。

フルスクワットの重量や回数、セット数の目安

フルスクワット

ウエイトを使用するトレーニングでは、それぞれの目的に合わせたレップ数(回数)やRMの設定が必要になります。

一方、自重を使ったフルスクワットでは、きちんとしたフォームを維持しながら自分が行える限界のレップ数を設定し、その回数を目標に行います。

ここでは自重を使った場合の、目安となるレップ数・セット数の設定を紹介します。

初心者・中級者・上級者の回数目安

自重を使ったフルスクワットでは、回数よりもどれだけ正確なフォームで続けられるかを重視します。

むやみに回数だけを増やしても、フォームが崩れてしまっては、ターゲットとなる筋肉にうまく負荷をかけることができません。

下の表を目安とし、自分が正しいフォームを維持しながら続けられる限界の回数を目標にして、その数字を目指してトレーニングをするようにしましょう。

レベル 回数
初心者 10回
中級者 20回
上級者 30回〜

セット数は3〜5回が目安

フルスクワットを実践する際のセット数は、自重の場合、10~20回を3セットから始めるといいでしょう。

物足りないと感じたら、5セットまで増やすことも可能ですが、フルスクワットは負荷の大きいトレーニングなので、3セットを基本とすることをおすすめします。

フルスクワットでターゲットとしている大臀筋は、大きな筋肉であるために、トレーニングの後で回復するのに時間がかかります。

無理に回数を増やすと、回復のための時間が余計にかかってしまうだけでなく、オーバーワークにもなりかねません。

上級者の場合はセット数を増やすのではなく、週に2度6セット行うなど、頻度を増やす方がいいでしょう。

フルスクワットの効果を高めるコツ3つ

フルスクワット

フルスクワットで効率的に筋肉を鍛えるために、常に頭に置いてトレーニングすべき重要なポイントがいくつか存在します。

ここでは、フルスクワットの効果を高めるのに必要な3つのコツをご案内します。ぜひトレーニングの参考にしてください。

コツ1. お腹に力を入れて動作を行う

フルスクワットを行う際は、お腹に力を入れ、腹圧をしっかりとかけて動作を行うようにします。

そうすることで体幹が安定し、正しい動作やフォームでトレーニングが行いやすくなります。結果として、ターゲットとする筋肉に、効果的に負荷を与えることが可能になるのです。

お腹に力を入れた状態でフルスクワットをすると、しゃがんだり立ったりが楽に行えるのを実感するはずです。

最初のうちはお腹にまで気が回らないかもしれませんが、慣れてきたら腹筋も意識して、しっかりと腹圧をかけて身体を上下させるよう心がけましょう。

コツ2. 呼吸を止めないように意識する

筋トレに慣れていない初心者にありがちなのが、ついトレーニング中に呼吸を止めてしまうことです。しかし、呼吸を止めると酸素が体内に入らなくなって、集中力が落ち、力も出にくくなります。

正しい呼吸法を行うと、酸素の消費量が増え脂肪燃焼効果が高くなるだけでなく、腹圧が上がってより大きな負荷をかけられます。

フルスクワットを行う際は、しゃがみながら息を吸い、立ち上がる際は息を吐くという呼吸法を、常に意識してトレーニングしましょう。

コツ3. 膝の位置に注意して腰を下ろす

フルスクワットでは常に膝の位置を意識し、爪先より前に出ないよう注意して動作を続けましょう。膝が前に出てしまうと、どうしても足にかけている負荷が減ってしまい、効果が半減してしまいます。

また、両膝が内側を向いていると、膝の関節にばかり負荷がかかってしまうため、やはり効率的なトレーニングができなくなります。

フォームが正しいかどうかは、自分ではなかなかわからないものです。誰かに動画を撮影してもらったり、鏡の前でトレーニングをしたりして、客観的に確認する機会を作るようにしましょう。

【Q&A】フルスクワットについて多い質問

フルスクワット

以下では、フルスクワットについて多い質問・疑問に回答します。

Q. フルスクワットがきつい!どこまでやればいい?

フルスクワットは、下半身へかかる負荷が大きいトレーニングメニューです。

無理に続けているとフォームが崩れてしまい、目指す効果を得られないばかりか、膝や足首への負担が増して、ケガをするリスクも増えてしまいます。

自分がフォームを崩さずに行える回数を把握して、まずはその範囲内でトレーニングを続け、筋力をつけるようにしましょう。

最初はハーフスクワットに取り組んで、筋肉ができあがってきたらフルスクワットに挑戦するのもおすすめです。

Q. 自重でフルスクワットが難しい場合の対処法は?

深くしゃがみ込んで行うフルスクワットが難しい場合、まずはフルスクワットよりしゃがみ込む深さが浅いハーフスクワットやノーマルスクワットから始めてみましょう。

その他、フルスクワットが難しい理由として、お尻周りの筋肉や足首の柔軟性が欠けていているために、フルスクワットの動作に必要な可動域を確保できていないことが考えられます。

その場合には、まずは正しいフォームを意識しながらゆっくりとした動作でトレーニングを行って、柔軟性を高めるよう心がけましょう。トレーニングの前後にストレッチを行い、筋肉をほぐすのもおすすめです。

Q. フルスクワットとフルボトムスクワットの違いは?

フルボトムスクワットとは、フルスクワットよりもさらに深い位置までお尻を落とすスクワットのことです。

お尻が地面につくくらいまでしゃがみ込み、太腿とふくらはぎが接触するようにします。フルスクワットよりも動作が大きくなるため、筋肉にかかる負荷はより強くなります。

フルボトムスクワットを行う際、下までしゃがみ込んだところで動きを止めてしまうと、今度は立ち上がれなってしまうことがあります。そのまま反動でお尻を持ち上げるようにし、動きを止めずに次の動作に移るようにしましょう。

フルスクワットで大臀筋やハムストリングスを効果的に鍛えよう!

フルスクワットはお尻から太腿にかけての筋肉、特に大臀筋やハムストリングに負荷を与えるのに効果的なトレーニングメニューです。

この部分を鍛えると、下半身のボディラインが引き締まり、すっきりとしたお尻が手に入るほか、脂肪の燃焼が促進されて太りにくい身体も実現できます。

メリットの大きいフルスクワットですが、正しいフォームで実践しないと効果は半減してしまいます。フォームが崩れないよう意識しながらトレーニングを続け、理想のボディを目指しましょう。

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