ヒンズースクワット

ヒンズースクワットの筋トレ効果・やり方|正しいフォームや回数の目安

プロレスラーが好んでやっているイメージのヒンズースクワットですが、正しいフォームやコツを押さえれば太い大腿四頭筋を作り上げられるだけでなく、ダイエットにも有効です。

そこで本記事ではヒンズースクワットのやり方や疑問点、効果を高めるポイントをご紹介します。

  • 脚を太くしたいのに中々太くならない
  • トレーニングがマンネリ化してきていまいち効果を実感できていない
  • 下半身を引き締めたい
  • ダイエットに効果的なトレーニングを知りたい

このような人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

ヒンズースクワットとは

ヒンズースクワット

ヒンズースクワットとは、膝を前に出しながらしゃがむスクワットで、脚の筋肥大や筋持久力向上だけでなく、ダイエットにも有効な種目です。

また、主にプロレスラーが脚や持久力を鍛える目的で行うトレーニングの一つです。

基本的に自重で行うので、器具も必要なく家でもできるトレーニングです。ただし膝関節への負荷が強いため、トレーニングとして取り入れる際は注意しましょう。

▼【参考】ヒンズースクワット解説動画|Tarzan

ヒンズースクワットが効果的な筋肉部位

ヒンズースクワットが効果的な部位は以下の2つです。

  • 大腿四頭筋
  • 大臀筋

ヒンズースクワットは、身体がまっすぐな姿勢で膝をつま先より前に出して深くしゃがむので、大腿四頭筋に最も負荷がかかります。

大腿四頭筋は太ももの前側にある筋肉で、大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋の総称です。ヒンズースクワットでは大腿四頭筋をまんべんなく鍛えられます。

また身体を前傾させないため、他のスクワットと比べてお尻の筋肉である大臀筋や、太もも後部のハムストリングスへの負荷は小さくなります。

フルスクワットなどと比べると大臀筋の負荷は小さいものの、ヒンズースクワットはサブ部位として大臀筋にも効果的です。

ヒンズースクワットとフルスクワットの違い

ヒンズースクワットは、数あるスクワットのバリエーションの中でも特殊なスクワットと言えます。

例えば、ヒンズースクワットとフルスクワットはどちらも深くしゃがむという点では同じですが、フォームは全く異なります。

ンズースクワットは、あえて膝をつま先よりも前に突き出すフォームですが、フルスクワットは膝が前に出すぎないようにします。

またヒンズースクワットはフルスクワットと比べて、身体の前傾がありません。

そのためフルスクワットでは脚全体を鍛えられるのに対し、ヒンズースクワットは大腿四頭筋を特化して鍛えられます。

ヒンズースクワットの語源・ネーミング由来

プロレスラーがトレーニングの一つとして行うヒンズースクワットですが、そもそも名前の由来は何なのでしょうか。

ヒンズー(ヒンドゥー)はヒンズー教やインド人を表す言葉なので、ヒンズースクワットは「インド式のスクワット」という意味です。

力道山というプロレスラーがダラ・シンというインド人からこのスクワットを教わり、日本に広めたことからヒンズースクワット(ヒンド式のスクワット)と呼ばれるようになったと言われています。

つまり、インド人(ヒンズー)から教わったスクワットだから、ヒンズースクワットになったということです。

ヒンズースクワットの正しいフォームとやり方

ヒンズースクワット

1. 脚を腰幅に開き、背筋を伸ばして立つ(スタートポジション)

ヒンズースクワットは重りを扱わずに、自重で行うトレーニングです。まずスタートポジションをつくります。

脚を腰幅に開き、背筋を伸ばして立ちます。多くのスクワットでは脚幅は自分がやりやすい幅で構いません。

しかし、ヒンズースクワットはしゃがんだ時につま先立ちになるので、広すぎると深くしゃがめません。そのため脚幅は腰幅を目安にします。

また、腕は肩から自然に下ろし力を抜きます。

2. つま先立ちで膝がつま先より前に出るようにしゃがむ

ヒンズースクワットではしゃがんでいるときにつま先立ちになり、膝がつま先より前に出るようにします。このときに膝が内側に入ると膝を痛める原因になります。

ヒンズースクワットは他のスクワットよりも膝への負担が強いので、膝が内側に入らないように注意しましょう。

また、しゃがむ深さはかかとがお尻につく勢いで限界までしゃがみます。しゃがむときの呼吸は息を吸うようにします。

3. 身体がブレないように背筋を伸ばした状態のまま立ち上がる

限界まで深くしゃがんだら、身体がブレないように息を吐きながら立ち上がります。姿勢は背筋をまっすぐ伸ばした状態で行います。

また立ち上がるときも、しゃがむときと同様に内股にならないように注意が必要です。

立ち上がった後は完全に膝を伸ばし切るのではなく、膝を伸ばし切る少し手前で止めることで大腿四頭筋から負荷が抜けないようにできます。

4. 2と3の動作をテンポよく繰り返す(反動を使ってもOK)

フルスクワットやパラレルスクワットでは、しゃがんだ後や立ち上がった後に少し停止することで、他の筋肉へ負荷が逃げるのを防いだり呼吸を整えたりします。

ただし、ヒンズースクワットは動作をテンポよく行うことが大切です。テンポよく行うことで心拍数も上がり有酸素運動やHIIT(高強度インターバルトレーニング)のような脂肪燃焼効果が期待できます。

ヒンズースクワットの回数やセット数の目安

ヒンズースクワット

ヒンズースクワットはプロレスラーが一度に数百回、多い時には数千回も行っているトレーニングです。

では、実際にヒンズースクワットの効果的な回数やセット数はどれくらいなのでしょうか。

研究を基に、回数やセット数の目安を紹介しますので、参考にしてみてください。

初心者・中級者・上級者別の回数目安

ヒンズースクワットの回数目安は20〜30回です。

筋トレ初心者の場合は、まずは10回からヒンズースクワットを始め、段階的に20回、30回と回数を増やしていきましょう。

レベル 回数
初心者 10回
中級者 20回
上級者 30回

筋トレは、正しいフォームでターゲット部位に適切に負荷をかけることが基本です。

上記は、あくまで目安の回数となっており、正しいフォームでこなせる回数で行いましょう。

セット数は3〜5回が目安

ヒンズースクワットのセット数は3~5回が目安です。1セットや2セットのように少ないセット数では筋肉を十分に刺激できません。

トレーニング上級者の中には2セットしかやらないという人もたまにいますが、それは正しいフォームを身に着けて少ないセット数でも筋肉に十分な負荷をかけられるからです。

しかし、ほとんどの場合は対象の筋肉とは違う部位に負荷が逃げたり、フォームが崩れたりして、少ないセット数では十分に効果が得られません。そのため最低でも3セットは必要です。

また2012年の研究(※)では、6セット以上ではタンパク質の合成が減少したということが示されています。

以上を踏まえると、やはり3~5セットが目安になります。

ヒンズースクワットの効果を高めるコツ3つ

ヒンズースクワット

続いてヒンズースクワットの効果を高めるコツを3つ紹介します。

ヒンズースクワットはフルスクワットなどとフォームがまったく異なるので、初めての場合少し難しく感じるかもしれません。

ですが、これから紹介する3つのコツを抑えれば、より大腿四頭筋に負荷をかけられます。

コツ1. つま先立ちで、膝がつま先より前にくるようにする

ヒンズースクワットで最も大事なポイントは、しゃがんだときにつま先立ちになり、膝がつま先より前に来るようにするということ。

ほとんどのスクワットでは、膝が前に出すぎないようにするのが基本です。しかし、ヒンズースクワットではあえて膝を前に出すことで、大腿四頭筋への負荷を高めています。

しゃがんだときに膝が前にでていないと、普通のスクワットと同じになってしまいヒンズースクワット独自の効果が期待できないので要注意です。

コツ2. 上半身はできるだけ地面に対して垂直な姿勢を保つ

ヒンズースクワットが普通のスクワットと異なるもう一つの点は、背筋が地面に対して垂直な姿勢を保つということです。

ノーマルスクワットでは背筋を少し前傾させることで、大腿四頭筋だけでなくハムストリングスや大臀筋にも刺激を与えるようにします。

しかし、ヒンズースクワットは大腿四頭筋への負荷を高めたいので、背筋は地面に対して垂直をキープして動作するのがポイントです。

そしてヒンズースクワットは身体を前傾させない分、腰への負担を軽減させられます。

コツ3. 脚だけでなく、腕の振りも使うようにする

ヒンズースクワットの正しいフォームを紹介したときに、テンポよく動作を行うことが大切と説明しました。

テンポよく動作を行うために、ヒンズースクワットでは腕の振りを使うと効果的です。また腕を振ることで脚だけでなく全身を動かせるため、より有酸素運動としての効果が高まります。

腕の振りはジャンプをするようなイメージで、立ち上がるときに腕を振り上げるようにします。こうすることで動作中のバランスも取りやすくなります。

【Q&A】ヒンズースクワットについて多い質問

ヒンズースクワット

ヒンズースクワットについて多い質問・疑問に回答します。

Q. ヒンズースクワットはダイエットにも効果的?

ヒンズースクワットはウェイトを扱わないため、負荷が強すぎることもなく、心拍数も上げられるのでHIITと組み合わせればダイエットにも効果的です。

HIITとはハードな運動と休憩を交互に行うトレーニングで、2019年の研究(※)でも長時間の有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が高いことが示されています。

※参考:https://bjsm.bmj.com/content/53/10/655

やり方は以下の通りです。

How To

  1. ヒンズースクワットを20秒全力でやる
  2. 10秒休憩
  3. 1と2を合計で8回(4分)繰り返す

ダイエット目的でヒンズースクワットを行うなら、HIIT形式でやってみることをおすすめします。

Q. ヒンズースクワットは膝を痛めやすいって本当?

ヒンズースクワットは膝が極端につま先よりも前に出る運動なので、膝をそれほど前に出さない通常のスクワットに比べると膝への負担は大きいです。

そのためウェイトを持った状態で行ったり、プロレスラーのように何百回もヒンズースクワットを行ったりするのはおすすめできません。

せっかくの努力を無駄にしないためにも、正しいフォームや適切な回数を踏まえたうえで行うのがポイントです。

Q. ヒンズースクワットは毎日やっても大丈夫?

2017年のメタ分析(※1)では、ほとんどのトレーニングは週に10セットが目安と示されています。

そのため1日に1~2セット程度であれば、毎日ヒンズースクワットをやっても問題ないと言えます。

しかし、別の研究(※2)では大腿四頭筋の発達におけるベストな頻度は週に1.5~3回とされているので筋肉を成長させる目的であれば毎日やるのはおすすめしません。

ただしダイエット目的などであれば、毎日行うのもありです。

ヒンズースクワットで大腿四頭筋を効果的に鍛えよう!

ヒンズースクワットは、膝をつま先よりも前に出すという特性上、大腿四頭筋に特化して強い負荷をかけられます。

また、テンポよく行うことでダイエットとしての効果も期待できるトレーニングです。

本記事ではそんなヒンズースクワットの正しいフォームや、効果を高めるコツを紹介しました。

大腿四頭筋を太くしたい人や、脚を引き締めたい人、脂肪を燃焼させたい人は膝のケガに十分に注意してヒンズースクワットをトレーニングに取り入れてはいかがでしょうか。

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