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肩の筋肉「三角筋」の鍛え方|ダンベルや自重トレでメロン肩を目指す

肩の筋肉である三角筋は、男らしい逆三角形の筋肉を作るために鍛えておくべき重要な筋肉の一つです。

三角筋は前部・中部・後部に分かれており、それぞれの筋肉の作用を理解して鍛えることで効果的に筋肉がつくようになります。

今回は三角筋がどのような筋肉で、どのようなメニューで鍛えられるのかなどを紹介していきます。

目次

肩の筋肉「三角筋」とは【イラスト解説】

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肩の筋肉「三角筋」とは、鎖骨や肩甲骨、上腕骨にくっついている筋肉で、意外にも上半身で最も体積の大きい筋肉です。

三角筋を鍛えることで大きな「メロン肩」が形成され、肩幅が広くなるため逆三角形のボディに近づきます。

三角筋は「前部・中部・後部」の3部位で構成

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三角筋は「前部・中部・後部」に分かれており、具体的に以下の作用があります。

  • 前部の作用:肩関節の屈曲・水平内転・内旋(腕を前に上げる)
  • 中部の作用:肩関節の外転(腕を横に上げる)
  • 後部の作用:肩関節の伸展・水平外転・外旋(腕を後ろに上げる)

前部は鎖骨、中部は肩峰、後部は肩甲骨からついていることから、上記のように異なった作用を果たします。

筋トレで肩の筋肉が大きくなる仕組み

筋トレで筋肉が大きくなるためには筋肉にストレスを与えて、筋肉がそのストレスに適応することが必要です。筋肉のストレスには2種類あり、1つ目が物理的ストレスです。

物理的ストレスには強い筋張力の発揮と、筋繊維の微細な損傷に分かれています。

  • 強い筋張力の発揮:
    筋肉に強烈な負荷がかかると、筋肉へのストレスとなり筋肥大のシグナルになる。
  • 筋繊維の微細な損傷:
    筋収縮による筋繊維への微細な損傷により筋肥大のシグナルになる。

もう一つが化学的ストレスで、無酸素性代謝物の蓄積と、筋肉の低酸素状態・虚血に分かれます。

  • 無酸素性代謝物の蓄積:
    筋収縮により乳酸などが蓄積することで筋肥大を促すホルモンが分泌
  • 筋肉の低酸素状態・虚血:
    筋肉の緊張が続くと低酸素状態となり、酸素を使う遅筋線維より筋肥大しやすい速筋繊維が優先して動員される

三角筋を鍛えることで“メロン肩”が手に入る

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三角筋を鍛えることで筋肥大すると「メロン肩」とも呼ばれる巨大な肩になります。前部・中部・後部の全てを鍛えることで丸みのあるメロン肩に近づきます。

バランスの良いメロン肩を作るためには、特に弱点部位を鍛えるのがおすすめです。大胸筋のトレーニングで前部、広背筋のトレーニングで後部が使われる場合があるため、肩のトレーニングでは中部に重点を置くと良いでしょう。

肩の筋肉「三角筋」を鍛える効果・メリット

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三角筋を鍛えると見た目が良くなるだけでなく、機能面においても役立ちます。どんな効果があるのか紹介していきましょう。

三角筋が発達し、肩幅が広がることで逆三角形ボディに

三角筋が発達することで肩幅が広がり、上半身がウエストに向かって引き締まった逆三角形のボディができあがります。

元々「肩幅が狭い」「ウエストが太い」といったことでスタイルに自信が持てないという人でも、三角筋を鍛えることで逆三角形は目指せます。

また水泳選手の身体を見れば分かるように、三角筋だけでなく広背筋も鍛えることで、より美しい逆三角形のボディに近づきます。

逆三角形ボディを手に入れると、どんな服装でもスタイル良く見えて女性からもモテやすくなるので、ぜひ三角筋や広背筋を鍛えましょう。

肩周辺の筋肉を適度に動かすことで肩こり改善につながる

肩こりの原因の一つは、肩周りの筋肉に緊張状態が続くことで血流が悪くなるためです。マッサージやビタミン剤などの処方もありますが、これは一時的に緩和するだけで根本的な解決にはなりません。

肩周りの筋肉には三角筋の他に僧帽筋や肩甲挙筋などがあり、これらは腕や顔を支えています。腕や顔の重みに肩周りの筋肉が引っ張られるため、筋力が不足すると緊張状態が続き肩こりの原因となるのです。

肩周りの筋肉を鍛えることで、腕や顔の重さに耐えられるようになり肩こりの改善につながります。

肩の筋肉「三角筋」前部の鍛え方・筋トレメニュー

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三角筋前部は主に腕を前方に上げる動作で鍛えられます。以下では、三角筋前部を鍛える自重のトレーニングとダンベルのトレーニングを紹介していきます。

三角筋前部の自重トレ:ヒンズープッシュアップ

ヒンズープッシュアップ

ヒンズープッシュアップは、大胸筋と上腕三頭筋に加えて三角筋前部を鍛えられる種目です。通常のプッシュアップよりも強度が高く、三角筋前部を自重で高負荷で鍛えたい場合に適した種目です。

また、プッシュアップが簡単な方のステップアップするための種目としても良いでしょう。

How To

  1. 手幅を肩幅より広くして、腕立て伏せの体勢になる
  2. お尻を高く突き上げた状態から身体を斜め前に押し下げる
  3. 額が手の横を通る時に弧を描くように元の位置に戻る

三角筋前部のダンベルメニュー:フロントレイズ

フロントレイズ

フロントレイズは腕を前に振り上げるシンプルな動きで、三角筋前部を鍛えます。片腕ずつ交互に行ったり、拳を立てて行ったり、逆手で行ったりとバリエーションは多いので、色々試してみましょう。

腕が肩の高さ付近まで来た時に最も負荷が強く、一方腕が真下にぶら下がる時は負荷が抜けてしまうので注意しましょう。

How To

  1. 両手にダンベルを持ち、足幅を腰幅程度にして立つ
  2. 腕を伸ばしたまま、ダンベルを前方に振り上げる
  3. 水平より少し高くなるまで上げたら、元の位置に戻す

肩の筋肉「三角筋」中部の鍛え方・筋トレメニュー

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三角筋中部は、肩を側方に上げる外転動作で鍛えられる筋肉です。その作用を知った上でどんな鍛え方があるのかメニューを見ていきましょう。

三角筋中部のダンベルメニュー:サイドレイズ

サイドレイズ

三角筋中部を鍛える代表種目がサイドレイズです。腕を側方に振り上げて肘が肩の高さに来たら、元の位置に戻します。

肘が肩の高さ以上になると、三角筋中部よりも首の根元にある僧帽筋上部の筋肉の動員が増すので、肩の高さより上に行かないようにしましょう。

また、小指を上に上げると言われることがありますが、これは肩の怪我のリスクが高まるので真上ではなく少し小指側が親指側よりも高くなるようなグリップで行いましょう。

How To

  1. ダンベルを持って、足幅を腰幅〜肩幅程度にして立つ
  2. ダンベルを側方に振り上げる
  3. 肩の高さに来るまで上げたら戻していく

肩の筋肉「三角筋」前部・中部の鍛え方・筋トレメニュー

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三角筋は前部・中部・後部に分かれていますが、前部と中部を同時に鍛えられるメニューがいくつかあります。以下で2つ紹介していきます。

三角筋前部・中部のダンベルメニュー:ショルダープレス

ショルダープレス

ショルダープレスは三角筋の前部と中部を鍛えられる種目です。ショルダープレスを行う際は可動域に注意しなければなりません。

上げきった時に肘が伸び切ってしまうと三角筋への負荷が逃げてしまうので、伸び切る直前くらいで折り返します。

また、スタートポジションでは肘が直角になるくらいが良いです。それ以上下げてしまうと、肩の靭帯が引っ張られて怪我のリスクが高まってしまいます。

How To

  1. ベンチを垂直くらいにして背中をつける
  2. 拳が肩の高さくらいになるようにセットする
  3. ダンベルを弧を描くように持ち上げていく
  4. 肘が伸びきる手前まで上げたら元の位置に戻していく

三角筋前部・中部のダンベルメニュー:アーノルドプレス

アーノルドプレス

アーノルドプレスはショルダープレスとほとんど同じ動作で、スタートポジションがダンベルが身体の前にあり、手の平を身体側に向けた状態から行います。

持ち上げながら、手の平が正面に向くように回しながら行い、フィニッシュポジションはショルダープレスと同様で肘が伸び切る直前になります。

How To

  1. 身体の前で逆手でダンベルを持つ
  2. 肘を外に開き、順手になるように手の平を正面に向けながら持ち上げる
  3. 肘が伸び切る直前まで持ち上げたら元の位置に戻していく

肩の筋肉「三角筋」後部の鍛え方・筋トレメニュー

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三角筋後部は肩関節の伸展(腕を後ろに振る)、肩関節の水へ外転(腕を前方から側方に水平に振る)で主に鍛えられます。

その作用を把握した上で、どんな鍛え方があるのか紹介していきます。

三角筋後部のダンベルメニュー:ダンベルリアレイズ

ダンベルリアレイズ

三角筋後部は前部や中部と比べて筋肉への刺激が分かりづらく、リアレイズも例外ではありません。上体を前傾させてダンベルを外側に引き上げる動きで行いますが、肩甲骨が寄ると僧帽筋や菱形筋に効いてしまうので注意しましょう。

また、通常は目線が下になり、目線を上げて鏡を見ながら行ってしまうと三角筋中部の動員が強まるのでフォームはトレーナーに見てもらのがおすすめです。

How To

  1. ダンベルを持って上体を前傾させる
  2. 手の平を身体側あるいは向かい合うようにして、ダンベルをぶら下げる
  3. 腕を伸ばしたまま側方にダンベルを振り上げる
  4. 肘が肩の高さまで来たところで元の位置に戻す

三角筋後部のマシンメニュー:ケーブル・フェイスプル

ケーブル・フェイスプル

ケーブルフェイスプルはケーブルマシンを使い、文字通りケーブルを顔に引きつけるように行う動作です。ケーブルの構造上、最も引っ張った時に張力が強くなるので、フェイスプルで三角筋後部が最大収縮した時に最大負荷がかかります。

動作のコツは、フィニッシュポジションまで肩甲骨を寄せずにダブルバイセプス(両手で力こぶを作るボディビルのポーズ)をするイメージです。これにより背中の中央部への筋肉に効かせることなく、三角筋後部の収縮が狙えます。

How To

  1. ケーブルを肩の高さから顔の高さ程度に設置する
  2. 二股ロープの下側を握り、足幅を肩幅程度に開く
  3. 背筋を伸ばしたまま、額に近づけるように引きつける

【Q&A】肩の筋肉「三角筋」について多い質問

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肩のトレーニングでは、慣れないうちは誰もがミスしてしまうような細かい部分での注意点が多いです。三角筋について特に多い質問とその答えを紹介していきます。

Q. 肩の筋トレ前後におすすめのストレッチは?

肩の筋トレをする際はインナーマッスルであるローテーターカフのストレッチを重点的に行うのがおすすめです。ローテーターカフは回旋筋腱板とも呼ばれており、肩のトレーニングの際に一緒に働くことで肩甲骨と上腕骨を引きつけて肩関節を安定させます。

逆に肩の筋トレ時にローテーターカフが働かないと、肩が不安定になり怪我を起こしやすくなります。

Q. サイドレイズやショルダープレスで肩の筋が痛い原因は?

サイドレイズや、ショルダープレスで肩が痛くなる原因は2つあります。
サイドレイズの場合は小指を上にあげたフォームによって巻き肩につながることです。小指を上の状態でサイドレイズをすると、肩の内旋(肩を内側に回す動作)が強まり、巻き肩になっていきます。

巻き肩になると通常は肩関節に上腕骨がはまっている状態が崩れ、インピンジメント症候群につながります。インピンジメント症候群とは肩を動かす時に、肩周りの骨や筋肉が擦れて、痛みを引き起こす症状です。

ベンチプレスやサイドレイズなどで肩が内旋するようなトレーニングばかりしていると、どんどん巻き肩になっていくので、反対の動きである外旋(肘を外側に回す動き)の運動も取り入れましょう。

ショルダープレスの場合は、広背筋が硬いことが原因です。広背筋の作用の中に、肩の内旋と内転(側方にある腕を内側に閉じる動き)があります。

広背筋が固くなると、この反対の作用の外旋と外転(腕を側方に上げる動き)の可動域が狭まります。ショルダープレスの動作で外旋と外転の可動域が制限されると、身体より前で上下するような動きになり肩関節の安定性が失われるのです。

それにより、インピンジメント症候群を引き起こし痛みが発生します。広背筋、三角筋のストレッチを十分に行い、可動域の制限がないようにして取り組みましょう。

Q. 肩の筋トレで三角筋にうまく負荷がかからない原因は?

肩の筋トレで三角筋に効いている感覚がしない場合に考えられる原因は2つあります。

1つは他の筋肉に負荷が逃げている場合です。肩の場合は、特に背中の中央から首の根元に広がる僧帽筋が動員されやすいです。

肩甲骨を寄せたり、肩をすくめたりといった動作で僧帽筋に負荷が入り、その分三角筋を使わないようなトレーニングになりかねません。

2つ目は三角筋に効かない可動域まで鍛えている場合です。肩のトレーニングの場合はダンベルが肩の真下に来ている場合、あるいは肩の真上で肘が伸び切っている場合は肩への負荷でなく関節に負荷が入っています。

この可動域が毎回含まれていると、その時間休憩していることになり、なかなか追い込めません。

肩の筋肉「三角筋」を鍛えてメロン肩を手に入れよう

今回は三角筋の構造や、三角筋を鍛える効果やメニューなどを紹介してきました。

三角筋は前部、中部、後部に分かれており、それぞれショルダープレス、サイドレイズ、リアレイズが代表メニューです。

三角筋の前部・中部・後部がそれぞれどのような作用で鍛えられるのかを理解した上で、トレーニングをすることでメロン肩を目指しましょう。

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