三角筋

インクラインサイドレイズの効果・やり方【フォーム・重量・回数】

インクラインサイドレイズは、逆三角形ボディを作る上で重要な「肩の筋肉」を鍛えるために欠かせないトレーニングです。しかし、肩のトレーニングは初心者には難しく、なかなか効率よく鍛えられません。

「どんな風にトレーニングをすればいいのかイマイチ分からない」
「肩トレをすると別の部位に効いてしまう」

肩トレに対してこんな悩みを抱えている方はたくさんいます。

今回は、そんな肩を効率よく鍛えられる「インクラインサイドレイズ」の正しいやり方やコツを解説します。初心者の方でもわかりやすくまとめているので、明日から実践できる内容です。

三角筋を効率よく鍛えて、理想的な逆三角形ボディを手に入れましょう。

目次

インクラインサイドレイズとは

サイドレイズ

インクラインサイドレイズとは、盛り上がった肩を作る三角筋を鍛えるトレーニング種目です。

一般的なサイドレイズは、直立した状態でダンベルを持ち上げる動作をします。一方、インクラインサイドレイズは40度程度の角度をつけたベンチに横になり、寝転がった状態でダンベルを持ち上げます。

直立して行うサイドレイズに比べて肩への負荷が抜けにくく、軽い重量でも効率的に肩を鍛えることが可能です。

▼【参考】インクラインサイドレイズ解説動画|山澤 礼明【筋肉チャンネル】

インクラインサイドレイズが効果的な筋肉部位

インクラインサイドレイズは肩の中央の筋肉である「三角筋中部」を中心に鍛えられるトレーニングです。三角筋は逆三角形のボディを作るには欠かせない筋肉で、意識しなければ鍛えることが難しい筋肉でもあります。

インクラインサイドレイズは三角筋以外にも、大胸筋や僧帽筋にも負荷がかかるトレーニングです。しかし、三角筋以外の筋肉を使ってしまうと、三角筋へかかる負荷が弱くなります。

インクラインサイドレイズを行うときは、常に三角筋に負荷がかかっているイメージを持つことが大切です。

特に肩を固定せずに動作をすると「僧帽筋」に負荷がかかりやすい傾向があります。ダンベルを持ち上げるときに肩を固定すると、うまく三角筋に負荷がかかるため意識してみましょう。

インクラインサイドレイズで使う筋トレマシン・器具

  • インクラインベンチ
  • ダンベル

インクラインサイドレイズを行うには、インクラインベンチが必要になります。インクラインベンチは決まった角度で傾斜をつけられ、ダンベルプレスなどの種目にも使用する器具です。

また、インクラインサイドレイズはダンベルなどのウエイトを扱うことによって、三角筋に負荷をかけるトレーニングです。

ウエイトが軽くても正しいフォームひとつで大きな負荷をかけられるのが、インクラインサイドレイズの魅力でもあります。

インクラインサイドレイズの平均重量(男女別)

インクラインサイドレイズの平均重量は、ダンベルプレスやアームカールなどと比べて、比較的軽い傾向があります。

トレーニングを継続させるほど、技術が向上し筋肉量が増加していきますが、正しいフォームを継続できる重さが最適といえるでしょう。

ここではサイドレイズの平均重量を見ていきます。インクラインサイドレイズは通常のサイドレイズよりも軽めの重量を扱うイメージを持ちましょう。

まずは、日本の男女それぞれの平均体重を目安に平均重量を確認します。

性別 初心者 中級者 上級者
男性(60kg) 2kg 12kg 21kg
女性(50kg) 2kg 8kg 13kg

上記の数値を元にダンベルを調節して、自分に合った重量を見つけましょう。

インクラインサイドレイズの正しいフォームとやり方

サイドレイズ

1. インクラインベンチの背もたれを30~40度程度傾ける

最初に、インクラインベンチのセットから解説します。背もたれを持ち上げ、30〜40度程度に傾けて固定します。

椅子の背もたれのように、あまり傾けすぎないように注意しましょう。三角筋に負荷をかけるには30~40度が最適な角度です。

インクラインベンチのセットが完了したら、周りはできるだけ物がない状態にしましょう。ダンベルを持ち上げるときに物が邪魔になると、トレーニングに集中できません。

2. ベンチに横向きに寝て、上側の手でダンベルを持つ

ベンチをセットしたら、次はベンチに横向きになって寝ころびます。身体の下側になっている腕は、身体の下に敷くかベンチの上側に出すかどちらか具合が良い方を選びましょう。

ベンチに寝ころんだら、身体の上側になっている方の手でダンベルを持ちます。このときの腕の位置は胸の前です。肘を軽く曲げた状態で、ダンベルの位置がお腹の前にくる位置まで下げましょう。

3. ダンベルを握った方の腕を、弧を描くように持ち上げる

スタートポジションをとったら、次はいよいよダンベルを持ち上げていきます。腕が身体に対して直角になるまで持ち上げましょう。上げすぎてしまうと三角筋から負荷が抜けます。

このときに腕で持ち上げるのではなく、三角筋を使うことを意識することが大切です。腕全体で持ち上げようとすると、負荷が僧帽筋や大胸筋に逃げやすくなります。

また、肘は伸ばさずに軽く曲げた状態をキープしてください。インクラインサイドレイズは肩を支点に肘から持ち上げるように意識すると、うまく三角筋に負荷をかけられます。

4. 胸を張り、肩が前に出ないようにスタートポジションに戻す

腕を持ち上げたら、ゆっくり下ろしていきます。トレーニングにおいて動作をゆっくり行うことは、強い負荷をかけることに繋がります。最後まで気を抜かず、三角筋への負荷を感じながらゆっくり下げていきましょう。

また、トレーニング中は常に胸を張ることをイメージしてください。肩甲骨を寄せると自然と胸が開きます。そうすることで前に肩が出ず、三角筋により強い負荷をかけるのに効率的です。

インクラインサイドレイズの重量や回数、セット数の目安

サイドレイズ

それでは、普段のトレーニングにインクラインサイドレイズを取り入れるときは、どのようなセットを組めばよいのでしょうか。

自分が目指している肩に1日でも早く近づけるように、目的に合ったトレーニングセットを組みましょう。

目的に合わせて重量や回数を設定する

「筋力アップ」「筋肥大」「筋持久力の向上」など、目指すボディによってウエイトの重量や回数は変化します。その目安となるのが、RM(反復可能最大重量)という数値です。

RMは設定した重量で反復できる限界の回数を表します。例えば「10RM」なら「10回の反復動作が限界の重量」、「20RM」なら「20回の反復動作が限界の重量」ということになります。

それでは、トレーニングの目的別にRMの設定数を見ていきましょう。

目的 回数(RM)
筋力向上 3~7RM
筋肥大 8~12RM
筋持久力向上 13~20RM

上記のようにRMをこなしていくと、最初に設定した回数以上に反復できるようになります。そんなときは、ウエイトを重たくするなど、目的に沿ったRMでトレーニングができるように調整しましょう。

セット数は3〜5回が目安

目的に沿ったRMを設定できたら、次に意識すべきはセット数です。インクラインサイドレイズで三角筋にうまく負荷をかけるには、ある程度の慣れが必要です。

そのため、初心者が1セットだけで筋肉を追い込むことは難しいでしょう。基本的にセット数の目安は3~5セット組むことをおすすめします。

またメインセットに入る前に、軽く肩を動かすなどのウォーミングアップをしておきましょう。インクラインサイドレイズで使用される筋肉が温まり、ケガの予防にもなります。

インクラインサイドレイズの筋トレ効果を高めるコツ3つ

プロテインを持つ男性

ここまでインクラインサイドレイズのやり方やセット数について解説しました。

以下では、意識するだけでさらに三角筋に負荷がかかるコツを3つ紹介します。どれもすぐに取り組めることですが、できることから段階的に意識することをおすすめします。

トレーニングのコツをしっかりと理解すると、正しいフォームで効率的に三角筋を鍛えられます。最速で迫力のある肩を手に入れましょう。

コツ1. 持ち上げたダンベルはなるべくゆっくり下ろす

どんなトレーニングにおいても同じですが、全体の動作はなるべくゆっくり行いましょう。

特にトレーニングの後半になると、持ち上げたダンベルを早く下ろしたい衝動にかられます。そこで気持ちをグッとこらえて、三角筋に負荷がかかっていることをイメージしながらゆっくり下ろしましょう。

なるべくゆっくり丁寧に動作することが、最短で理想的な三角筋を手に入れる近道です。どうしても辛いというときはウエイトの重さを軽くしてみてください。トレーニングは回数ではなく質が大切です。

コツ2. トレーニング中は胸を張った状態を常にキープする

インクラインサイドレイズは胸を張った状態をキープします。特に持ち上げたダンベルを下ろす動作の際には注意が必要です。

疲れてきたり、重量が重かったりすると肩が前に出ます。この状態で動作をしても、うまく三角筋に負荷をかけられません。

トレーニングの後半、どうしても肩が前に出たり、胸が閉じたりする方はダンベルの重さを調節しましょう。最初のうちは平均よりも軽めの方が、綺麗なフォームで効率よく鍛えられます。

コツ3. ウエイトの重さを調節して、負荷を軽めに設定する

肩のトレーニングは、胸や腕で使用するウエイトを扱うことは難しい種目です。特に、インクラインサイドレイズはトレーニング中に反動を使いづらい特徴があります。ウエイトは比較的軽く設定しましょう。

「これぐらいなら大丈夫」と思った重量でも、インクラインサイドレイズを始めると重すぎるということはよくあります。

フォームを意識できないほど重いウエイトは避け、しっかり三角筋を意識できる軽さが最適です。

【Q&A】インクラインサイドレイズについて多い質問

インクラインサイドレイズは、ダンベルを使った肩の種目の中でも比較的取り組みやすいトレーニングです。しかし、フォームが乱れるとうまく三角筋に負荷をかけられません。

トレーニングを始めたばかりの方は、多くの疑問を持つでしょう。ここでは、そんな初心者が共通して感じる疑問点に対する解決策をまとめています。さっそく見ていきましょう。

Q. インクラインサイドレイズはベンチなしでもできる?

インクラインサイドレイズは、傾斜があって横に寝ころべるものがあれば、トレーニング可能です。

布団やタオルなどクッションになるものを床に積み重ね、傾斜を作りましょう。そこに横向きに寝ころべばスタートポジションの完成です。

ただし、即席のベンチだと安定性が悪く、トレーニングの途中で崩れてしまう危険性もあります。インクラインサイドレイズはウエイトを扱う種目です。いつ崩れるか分からない恐怖で、フォームが乱れてもいけません。

できるかぎりインクラインベンチを用意し、トレーニングに集中できる環境をつくることが好ましいでしょう。

Q. 初心者は何キロぐらいから始めるといい?

初心者の場合は1kgのウエイトでも十分に三角筋に負荷をかけられます。プロのボディビルダーでも、8~12kgのウエイトでしっかり三角筋に効かせられるのがインクラインサイドレイズです。

肩の発達に従って、段階的に重さは増えていきます。最初は三角筋が刺激になれていないため、重量よりもフォームに集中して取り組みましょう。

ウエイトを軽くすることでフォームや三角筋に意識を集中でき、強い負荷をかけることができます。

Q. 毎日欠かさずに取り組んだ方が効果は出る?

肩が筋肉痛になっている場合はトレーニングを控えましょう。

筋肉痛は、トレーニングによって傷ついた筋肉が回復するときに起きます。筋肉を再生している最中にさらなる刺激が加わると、筋肉が小さくなる原因となるので注意が必要です。

筋肉痛になるということは三角筋にうまく負荷をかけられています。正しいフォームで動作ができている証拠なので、そのまま丁寧なトレーニングを続けましょう。

理想的なボディを手に入れるためには、トレーニングを継続させることがなによりも重要です。しかし、がむしゃらに毎日行うのではなく、自分の身体と相談しながら行いましょう。

インクラインサイドレイズで三角筋を効果的に鍛えよう!

集中的に鍛えることが難しい肩の筋肉も、インクラインサイドレイズなら効率よく鍛えられます。しかし、この記事で解説したように正しいフォームを身につけなければ、別の部位に負荷がかかってしまいます。

最初は肩に痛みを感じる場合もありますが、そんなときは無理をせずウエイトを軽くしましょう。

インクラインサイドレイズは初心者でも取り組みやすいトレーニングです。正しいフォームをマスターして、理想的な三角筋とボディを手に入れましょう。

三角筋
最新情報をチェックしよう!