ハーフスクワット

ハーフスクワットの筋トレ効果・やり方|正しいフォームや回数の目安

ハーフスクワットは脚の筋肉を鍛えるだけでなく、脚を引き締められるダイエット効果の高いトレーニングです。

本記事では、ハーフスクワットの正しいフォームや効果を高めるコツをご紹介。

さらに、たった4分でできる有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が高いハーフスクワットのトレーニングもご紹介します。

  • どんなスポーツにも欠かせない強い脚が欲しい
  • 短時間でできるダイエット方法を知りたい
  • スラっとした脚に憧れる

このような人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

ハーフスクワットとは

ハーフスクワット

ハーフスクワットとは、背筋を伸ばした状態で膝を曲げることで脚の筋肉を鍛えるトレーニングの一つ。

ハーフスクワット以外にもフルスクワットやパラレルスクワットなど、様々なバリエーションがありますが、ハーフスクワットは浅めにしゃがんで行うスクワットです。

しゃがみ方が浅い分、柔軟性が低い人でも取り組みやすいという特徴があります。

ハーフスクワットが効果的な筋肉部位

ハーフスクワットで鍛えられる部位は大きく分けて以下の3つがあります。

  • 大腿四頭筋(太ももの前側にある筋肉で大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋の総称)
  • ハムストリングス(太もも後部の筋肉で大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)
  • 大臀筋(お尻の筋肉)

このうちハーフスクワットで最も鍛えられる部位は大腿四頭筋です。ハーフスクワットの可動域ではハムストリングスや大臀筋の伸びが少ないため、大腿四頭筋に負荷がかかるからです。

そのためハーフスクワットは脚の筋肉の中でも、特に大腿四頭筋をメインで鍛えたい人に効果的なトレーニングと言えます。

またサブ部位として、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)や、腹直筋、脊柱起立筋にも刺激を与えます。

ハーフスクワットとフルスクワットの違い

ハーフスクワットは膝が直角になるくらいまでしゃがむスクワットですが、フルスクワットは太ももが地面と平行以上になるまでしゃがみます。

フルスクワットの方が可動域が広いため、脚の筋肉全体を効率よく鍛えられますが、足首やハムストリングスの柔軟性がないと難しい種目です。

フルスクワットに対して、ハーフスクワットは高重量を扱えて、ハムストリングスや大臀筋のストレッチが弱くなる分、大腿四頭筋に負荷をかけやすいのが特徴です。

ハーフスクワットの有酸素運動としての効果

ハーフスクワット

ダイエット目的でトレーニングをしている人の中には、ハーフスクワットがどれくらい有酸素運動としての効果があるのか気になるという人も多いでしょう。

有酸素運動は低強度の運動を長時間行うエクササイズで、高い脂肪燃焼効果が期待できます。しかし、有酸素運動で脂肪を燃やすには最低でも15分以上は続けないといけないことが研究で分かっています。

ハーフスクワットは強度が高い運動なので、15分以上続けるのは難しいでしょう。ではハーフスクワットでダイエットができないかと言われるとそういうわけではありません。

ハーフスクワットはある方法を使えば、たった4分で有酸素運動よりも高い脂肪燃焼効果が期待できます。

その方法とはHIITです。HIITとは高強度インターバルトレーニングのことで、簡単にいうとハードな運動と休憩を交互に繰り返すトレーニングです。

ハーフスクワットを使ったHIITのやり方は以下の通りです。

  1. ハーフスクワットを20秒全力でやる
  2. 10秒休憩
  3. ①と②を合計で8回(4分)繰り返す

2019年の論文(※)でも、ジョギングやランニングなどの有酸素運動を長時間するよりも、短時間のHIITの方が脂肪燃焼効果が高いことが示されています。

ハーフスクワットをダイエット目的として行うなら、HIIT形式にすると効果的です。

ハーフスクワットの正しいフォームとやり方

ハーフスクワット

1. パワーラックにバーベルをセットする(自重なら不要)

ハーフスクワットは自重でもできますが、負荷があまり強くないのでウェイトを用いた方が筋力アップや筋肥大には効果的です。

まず、パワーラックにバーベルと適切な重量の重りをセットします。重さに耐えられなくなった場合に備えて、セーフティーバーのセットも忘れずに。

また有酸素運動としてハーフスクワットを行う場合は、ウェイトは必要ありません。

2. バーを僧帽筋に乗せて、一番力が入りやすい脚幅に脚を開く

ウェイトの準備ができたらバーを担ぎます。バーを担ぐ位置はやりやすい位置で構いませんが、高い位置に担ぐハイバーでは大腿四頭筋への負荷が高まります。

一方、低めの位置にバーを担ぐローバーでは身体が前傾するのでハムストリングスや大臀筋に負荷がかかりやすいです。

バーを担いだら一歩後ろに下がり、力が入りやすいように脚を開きます。

3. お尻を突き出すように膝が90度になるまでしゃがむ

セットポジションができたら、まず息を吸って腹圧(お腹周りの圧力)をかけます。次に腹圧をキープしたまま、お尻を突き出すようにしゃがみます。しゃがむ深さは膝が約90度になるまで。

しゃがむときに膝から曲げると膝関節に強い負荷がかかるため、股関節から曲げるのがポイントです。

また有酸素運動目的(HIIT)で行う場合は、動作を素早くします。

4. バーベルの軌道が垂直になるようにに立ち上がる

膝が90度になるまでしゃがんだら、腹圧を維持した状態で息を吐きながら立ち上がります。このときバーベルの軌道が地面と垂直になるように立ち上がります。

また立ち上がるときはお尻が先に上がらないように要注意。腰に負担がかかり腰を痛める原因になるからです。

有酸素運動目的(HIIT)でやる場合も基本的なフォームは変わりませんが、リズムよく素早く立ち上がるようにすると効果的です。

ハーフスクワットの回数やセット数の目安

ハーフスクワット

トレーニングで筋肉を効率よく鍛えるには正しいフォーム以外にも、回数やセット数が重要です。そこでハーフスクワットの重量や回数、セット数の目安をご紹介します。

今回紹介する重量設定や回数の考え方は、他の種目にも応用できる基本となります。筋肉を効率よく発達させたい人はぜひ参考にしてください。

目的に合わせて回数を設定する

トレーニングの目的ごとの回数は、筋力向上目的なら高重量で低回数、筋肥大目的なら中重量、筋持久力向上なら低重量で高回数が基本です。

具体的には筋力向上なら3~7RM、筋肥大なら8~12RM、筋持久力向上なら8~12RMが目安です。

ちなみに、RM(Repetition Maximum)とは反復可能最大重量のことで、ある重量に対してギリギリ上げられる限界回数のこと。

2020年の研究(※)でも8~12回の重量でのトレーニングが筋肥大に効果的で、それよりも少ない回数の方が筋力アップに効果的だったと示されています。

▼ウェイトを使ったハーフスクワットの回数目安

目的 回数(RM)
筋力向上 3〜7RM
筋肥大 8〜12RM
筋持久力の向上 13〜20RM

▼自重で行うハーフスクワットの回数目安

レベル 回数(RM)
初心者 10RM
中級者 20RM
上級者 30RM

セット数は3〜5回が目安

トレーニング科学の教授であるMike氏によると(※)、大腿四頭筋を鍛えるトレーニングは週に12~18セット、週に1.5~3回の頻度が効果的です。

そしてハーフスクワットの他に脚のトレーニングを入れる場合や、ハーフスクワットだけでも週に3回のトレーニングを行う場合を考えるとベストなセット数は3~5回です。

ダイエット目的でHIIT形式で行う場合はこの限りではありませんが、筋肥大・筋持久力向上・筋力向上を目的としている場合は3~5回を目安にしてみましょう。

ハーフスクワットの効果を高めるコツ3つ

ハーフスクワット

続いてはハーフスクワットの効果を高めるコツを3つ紹介します。

以上のポイントを押さえておくことで、大腿四頭筋により強い刺激を与えることができます。

コツ1. 腹圧を意識して、常にお腹に力を入れる

ハーフスクワットに限らず、スクワットでは腹圧を意識することがとても大切です。腹圧を意識することで、身体を安定させられるので正しいフォームで動作しやすくなります。

それだけでなく、腹圧をしっかり入れていないと、腰を痛める原因にもなります。

スクワットで対象の筋肉にしっかりと負荷を与えるためにも、腹圧を入れて身体がブレないようにすることが大切です。

ちなみに、腹圧は息を吸い込んでお腹周りを膨らませるようにするとかけられます。また息を吐くと腹圧が抜けてしまう人もいますが、息を吐きながら立ち上がるときも腹圧はキープです。

コツ2. つま先ではなく、かかとに重心を乗せる

スクワットの時にかかとが浮いたり、つま先に重心が乗ってしまう人をたまに見かけますが、これは危険です。

つま先重心のスクワットはハムストリングスや大臀筋のはたらきが小さくなるため、内転筋などの対象筋以外に負荷を逃がしてしまう可能性が高いです。

そのため、対象の筋肉を効率的に鍛えられないだけでなく、膝のケガもしやすくなります。

ですから、つま先重心になってしまう人は、かかと重心を意識することで対象筋にしっかりと負荷をかけられるだけでなく、膝の負担も減らせます。

コツ3. できるだけ膝がつま先より前にでないようにする

ハーフスクワットの効果を高める最後のコツは、できるだけ膝がつま先より前にでないようにすることです。

膝がつま先よりも前に出すぎているフォームでは、大腿四頭筋への負荷が強くなりすぎて、脚全体をバランスよく鍛えられないからです。

大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングスや大臀筋もバランスよく鍛えるためにも膝が前に出すぎないようにすることが大切です。

どうしても膝が前にでてしまう人は、股関節をしっかりと曲げることを意識してみてください。

ただし、あえて膝をつま先よりも前に出すスクワットもあり、骨格や柔軟性の問題で膝がつま先よりも前にくる場合もあります。

ですから、絶対に膝がつま先より前に出ないようにすべきというわけではありません。

【Q&A】ハーフスクワットについて多い質問

ハーフスクワット

最後にハーフスクワットについて多い悩みや質問をご紹介します。

Q. ハーフスクワットはあまり効果がないって本当?

浅いスクワットとフルスクワットの効果を比べた研究(※1)によると、筋肥大や筋力アップ、ジャンプ力など多くの要素でフルスクワットの方が効果が高いことが分かっています。

ではハーフスクワットには効果がないかというと、決してそういうわけではありません。

例えば2001年の研究(※2)によると、80~90度くらいのいわゆるハーフスクワットでも十分に筋肉が発達することが示されています。

Q. バーを担いだ時に手首が痛くなるときの対処法は?

バーベルを使ったハーフスクワットで手首を痛める理由は、バーが落ちないように手首で支えているからです。

手首の負担を減らすには、手から肘が一直線になるようにするのがベストです。とはいえ、肩や肘の柔軟性が低い人にとってはこれは難しいでしょう。

そのような人は、バーを担ぐ位置や手幅を変えてみるのも一つの手です。それでも手首の痛みが改善しない場合は、やはりリストストラップで手首を固定するのがベストです。

Q. ハーフスクワットに脚痩せの効果はある?

多くの研究で部分痩せは存在しないということが証明されています。そのため、ハーフスクワットを行って脚だけすぐに痩せるということはありません。

しかし、ハーフスクワットで鍛えられる下半身の筋肉は全身の筋肉の約70%をしめると言われています。脚の筋肉を鍛えることで消費カロリーが上がり、全身を通して痩せやすくなります。

またスクワットは数ある筋トレの中でも、全身を使い、かつ大きな筋肉を動かすトレーニングなので消費するカロリーも多いです。

以上を踏まえると、ハーフスクワットで脚だけを限定して痩せるのは不可能ですが、ダイエットや痩せやすい身体を作る目的としては有効なトレーニングの一つと言えます。

ハーフスクワットで大腿四頭筋を効果的に鍛えよう!

ハーフスクワットは脚の筋肉を鍛えたり、ダイエット目的として行うトレーニングの王道ですが、正しいフォームや目的に合わせた回数で行わなければ十分な効果は得られません。

しかし、目的に応じたやり方や対象の筋肉に効かせるためのポイントを押さえれば、脚を鍛えるのにもダイエットとしても高い効果を発揮します。

  • 脚を鍛えるために何をしていいか分からない
  • 今まで実践してきたダイエットエクササイズに成果を感じられなかった

このような方は、まずはハーフスクワットをトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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