ドラゴンフラッグ

ドラゴンフラッグの効果・やり方|正しいフォームや回数目安【腹筋】

ドラゴンフラッグで腹直筋を効果的に鍛えるやり方やコツについて詳しくご紹介します。

ドラゴンフラッグは、トレーニング強度のとても高い種目で求められる基礎筋力が足りないと姿勢を保持することすら難しい上級者向けのトレーニングです。

「これからドラゴンフラッグにチャレンジしたい」という方のために、正しいフォームから負荷を軽減する方法、ドラゴンフラッグに向けて強化したい筋肉部位についてわかりやすくご紹介します。

ドラゴンフラッグとは

筋トレ,筋肉

ドラゴンフラッグとは、首の下部を支点にしながら全身を一直線にして、足を垂直に引き上げる腹筋トレーニングです。

ブルース・リーが考案してトレーニングに取り入れていたメニューで、「ドラゴンフラッグ」という名前自体も代表作である「燃えよドラゴン」から取れられていると言われています。

また、シルヴェスター・スタローンが主演の映画「ロッキー」にて、トレーニングシーンで実施していたことでさらに有名になりました。

難易度が高く、正しいフォームで実施できる人自体が少ないため、ジムでも注目を集めるトレーニングです。

ドラゴンフラッグが効果的部位1. 腹筋

ドラゴンフラッグは、一度に腹筋群全体に負荷がかかるトレーニングです。

特に腹直筋と腹横筋に強い負荷がかかります。

腹直筋はいわゆるシックスパックで、前から見た引き締まったシルエットには欠かせません。また物を押す時の体の安定にも関係するため、スポーツパフォーマンスの改善にも重要な筋肉部位です。

腹横筋は腹筋群の中でも最深部にあるインナーマッスルで、腹式呼吸で息を吐く際や、体幹全体の姿勢安定と関係のある部位です。

ドラゴンフラッグが効果的部位2. 広背筋

ドラゴンフラッグは腹筋群のトレーニングの印象が強いですが、体を一直線に保った状態で上下に動かすのに広背筋も必要となります。

広背筋は背中の肩甲骨の付け根からお尻まで広がっている筋肉部位で、背中のシルエットの「逆三角形」を作るのに欠かせません。

また肩関節の伸展動作に重要な役割を果たし、腕を伸ばした状態から引き寄せるのに作用するため、クライミングやボート競技などで重要な筋肉です。

ドラゴンフラッグでは、腹筋群と広背筋をバランス良く鍛えられます。

ドラゴンフラッグが効果的部位3. 腕

ドラゴンフラッグは、両手でフラットベンチなどを掴み、自重をしっかりと支えながら頭から支点となる肩甲骨までを固定させて動作するため、予想以上に腕の筋肉(特に上腕二頭筋)が重要になります。

上腕二頭筋はいわゆる腕を曲げた時に力こぶになる筋肉部位のため、ドラゴンフラッグは太い腕周りを作るのに効果的です。

また、柔道などのコンタクトスポーツで相手を引き寄せたり、球技でラケットを振ったり、ボールを投げたりする時に関与する部位のため、スポーツパフォーマンス向上にも効果が期待できます。

ドラゴンフラッグを自宅の床で行う方法

ドラゴンフラッグ

ドラゴンフラッグは、本来フラットベンチなどを使って実施するのが一般的です。

自重を両手と支点の肩甲骨周りで支える必要があるため、フラットベンチのように縁を掴みやすいとトレーニングがしやすくなります。

ただし、自宅にフラットベンチがない場合には、床で実施することも可能です。

自宅で実施する際には、机の脚や家の柱など掴んで体重をかけても安定している場所でトレーニングするようにしましょう。

また、もし補助してくれる人がいれば、立った状態の補助者の足首を掴むことでもトレーニングが可能です。

掴む場所がないと腰から上半身を上げにくく、ただのレッグレイズになってしまいやすいため、安定して両手で掴めるポイントを探しましょう。

ドラゴンフラッグの正しいフォームとやり方

筋トレ,筋肉

ドラゴンフラッグは、自重トレーニングですが強い負荷がかかるため、正しいフォームで実施しないと腰を痛めるなど怪我のリスクが高くなります。

まずは無理せずに、正しいフォームを身に付けるようにしましょう。

正しいフォームのステップは以下の通りです。

1. ベンチに仰向けになり、頭の横でベンチを手で掴む

フラットベンチに頭が端から出ないように仰向けになります。

頭の横の位置で、フラットベンチの縁を親指と4本指で挟むようにサムレスグリップで掴み、足をレッグレイズの要領で真っ直ぐにした状態で少し浮かせます。

これがドラゴンフラッグのスタートポジションになります。

足を真っ直ぐにした姿勢が難しければ、膝を少し曲げることで負荷を軽くすることができます。

2. 体をまっすぐ垂直になるところまで上げる

まず、足をゆっくりと上げていき、太ももが垂直になるところまで上げます。

そして肩甲骨のあたりを支点にして、腹筋に力を入れて体を絞るようにして上半身も真上へと引き上げていきます。

理想は足先から肩甲骨までが1本の棒のように真っ直ぐ垂直になる姿勢です。足を開いてしまうと軸がブレるため、両足は揃えた状態をキープしましょう。

3. ゆっくりと腹直筋を意識しながら体を傾けていく

肩甲骨から足まで垂直になった状態から、ゆっくりとスタートポジションへ戻していきます。

この時に、重力に負けて勢いよく体を戻してしまうと、下半身が反って腰を痛める原因になるため、腹直筋への負荷をしっかりと感じながらゆっくりと体を下ろしていく意識を持ちましょう。

有名なブルース・リーのトレーニング動画では足が反っていますが、強い体幹を持っているからこそ取れる姿勢です。筋力が足りない状態で真似すると怪我の恐れがあるので注意しましょう。

4. 息を吐きながら、負荷が抜けないポイントまで体を戻す

徐々に体を下ろしながら呼吸の仕方にも注意しましょう。

ゆっくりと体を下ろす際に、息を吐きながら動作するようにすると、腹筋群へより強く負荷をかけることができます。

特に腹横筋は腹式呼吸で息を吐く時に働く筋肉のため、ドラゴンフラッグのトレーニング中は息を吐く動作に注意するとより効果的です。

後は、できる回数分だけ同じ動作を繰り返します。

ドラゴンフラッグの回数、セット数の目安

筋トレ,筋肉

他の筋トレ種目では、「筋力アップ」「筋肥大」「筋持久力向上」の3つの目的に合わせてトレーニング回数や負荷を設定するのが一般的です。

ただし、ドラゴンフラッグは負荷がかなり強いため、基本的に10回も20回もできる人はほとんどいません。

あえてドラゴンフラッグを分類するなら、“高負荷×低回数”の筋力アップをしやすいトレーニングになります。

ドラゴンフラッグをトレーニングに取り入れる際には、まずは正しいフォームで腰に負担をかけることなく1回実施するのを目標にしましょう。

ドラゴンフラッグの動作に慣れてきたら、限界が来るまで同じ動作を複数回繰り返します。

ただし、ジムでも実施すると周りから注目されるほど負荷や難易度の高いトレーニングのため、決して無理のないようにしてください。

ドラゴンフラッグの効果を高めるコツ3つ

筋トレ,筋肉

ドラゴンフラッグはもともと腹筋群を中心に筋肉に強い負荷がかけられるトレーニングですが、ポイントを意識することで狙った部位をより一層効果的に鍛えられます。

以下の3つのポイントをチェックするようにしましょう。

一つずつポイントを確認しましょう。

コツ1. 体をまっすぐにして動作させ、負荷を腹筋群にかける

ドラゴンフラッグのトレーニング効果を高める重要なポイントは「体を真っ直ぐにした状態を常にキープすること」です。

肩甲骨から足までを真っ直ぐにすることで、負荷を最大限腹直筋にかけることができます。

逆に体を反らせてしまうと、負荷が腹直筋から腰に逃げるため怪我しやすくなるので注意しましょう。

もし負荷が強すぎて体をまっすぐにした状態を維持できないのであれば、反らせてしまうのではなく、膝をまげることで腹筋にかかる負荷を軽減しましょう。

足を曲げた状態でも十分に強度の高いトレーニングができます。

コツ2. 腹筋群への負荷が抜けてしまうポイントまで体を上げない

ドラゴンフラッグの一般的なフォームは、体が垂直になるように上げるのが基本です。

ただし、実施してみるとわかりやすいですが、体を70°~80°程度まで上げたあたりから腹筋への負荷が段々と抜けてきます。

そのため腹筋群を鍛えるためにドラゴンフラッグを取り入れる場合には、体を垂直まで上げるのではなく、70°~80°の腹筋から負荷が抜けるポイントの手前で次の動作に入るようにし、常に腹筋に負荷をかけた状態をキープしましょう。

コツ3. 上半身をしっかり固定させて安定させる

ドラゴンフラッグは、肩甲骨のあたりの支点で全自重を支えることになるため、上半身をしっかりと固定させてブレないようにするのが重要です。

基本的には腹筋に効かせるためのトレーニングなので、意識は常に腹筋に集中させれば良いのですが、上半身がブレてしまうとバランスを保つために他の筋肉部位を使ってしまうため腹筋に集中しづらくなります。

必要に応じてダンベルカールなどで上腕二頭筋を鍛えて、ドラゴンフラッグのための安定した土台を作れるようにしましょう。

【Q&A】ドラゴンフラッグについて多い質問

筋トレ,筋肉

ドラゴンフラッグに関連して多い質問にもお答えしたいと思います。

ドラゴンフラッグは難易度の高いトレーニングのため「チャレンジしてるけど、なかなできない」という方も多いのが事実です。

ドラゴンフラッグに必要な基礎筋力を付ける方法についてもご紹介するので参考にしてみてください。

Q. ドラゴンフラッグの難易度を少し下げる方法はない?

「あともう少しでドラゴンフラッグができそう」という方なら、膝を90°に曲げた状態でドラゴンフラッグを行うようにしましょう。

負荷を軽減して取り組むことで筋力アップを図り、足を伸ばした状態でのドラゴンフラッグに耐えられる体を身につけましょう。

ただし、足を曲げた状態でもドラゴンフラッグができない場合には、まず次でご紹介するドラゴンフラッグのために必要な各部位の筋肉を鍛えられるトレーニングに取り組みましょう。

Q. ドラゴンフラッグのためにはどんなトレーニングが必要?

ドラゴンフラッグができるようになるためにおすすめのトレーニングは以下の通りです。

  • クランチ:腹直筋の強化
  • レッグレイズ:腸腰筋群(深腹筋と呼ばれるインナーマッスル)の強化
  • ハイパーエクステンション:脊柱起立筋群(腹筋群の拮抗筋)の強化

それぞれがドラゴンフラッグを安定したフォームで実施するのに必要な筋肉のため、“高負荷×低回数”でしっかりと筋力アップを目的に各トレーニングに取り組みましょう。

大体の目安ですが、ドラゴンフラッグのための基礎筋力には、それぞれのトレーニングを30回できるくらいが最低限のラインになります。

Q. ドラゴンフラッグには他のバリエーションがないの?

ドラゴンフラッグにはさらに強度を強めたドラゴンフラッグウォークというバリエーションがあります。

通常のドラゴンフラッグの動作の中で、片足ずつ歩いているように動かすのが大きな特徴です。

片足ずつ独立して動かすため、バランスを保つのにはさらに強い体幹の力が求められ、腹筋群全般のトレーニングとして高い効果があります。

ただし、トレーニング強度はドラゴンフラッグよりも高くなるため、まずはドラゴンフラッグを正しいフォームでできるようになってからチャレンジするようにしましょう。

ドラゴンフラッグで腹筋群を効果的に鍛えよう!

筋トレ,筋肉

腹筋を最大限鍛えられることで有名なドラゴンフラッグについてご紹介しました。

自重トレーニングにも関わらず強い負荷がかかるため、筋トレ上級者向けのトレーニング種目ですが、できるようになると大きな達成感があります。

またジムで実施すると、周りからも注目を集めるパフォーマンス性の高いトレーニングでもあります。

ドラゴンフラッグができるようになるために、各筋肉部位を個別にトレーニングする方法もご紹介したので、ドラゴンフラッグを習得するのを目標に鍛えてみるのはいかがでしょうか?

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